「短期プロパー借入を返済額ゼロ円でリスケした事例」

金融機関のルールをしっかりと理解して対処しましょう。

2社の企業を経営する社長様より資金繰りが苦しいとの相談がありました。
直近の決算書を確認したところ、大幅な赤字を計上しており借入が難しい状態です。
 
念のため各金融機関に打診したところ、Z銀行以外は返済額の減額(リスケジュール)にて対応したいとの話になりました。
Z銀行だけが、リスケジュールではなく保証協会の保証付き融資に挑戦したいとの回答です。
 
Z銀行は保証協会の承諾を取り付けようと動きましたが、結果はNGでした。
よって、このタイミングで経営改善計画書を作成し、各金融機関に正式にリスケジュールの申し出を行いました。
 
◆同社グループの借入状況は以下です。
 
・A社借入総額    9,600万円
 うち日本政策金融公庫  940万円
 うちX銀行     1,100万円(全額保証協会保証付き)
 うちY信用金庫   5,100万円(うちプロパー融資860万円)
 うちZ銀行     2,460万円(全額保証協会保証付き)
 
・B社借入総額    2,300万円
 うちZ銀行     2,300万円(うちプロパー融資1,500万円)
 
◆リスケジュール申し出時の各金融機関の様子
 
・日本政策金融公庫は快く応じてくださいました。
・全額保証協会のみのX銀行も快く応じてくださいました。
・一部プロパー融資(長期融資)のあるY信用金庫も、経営改善計画に理解を示して、快く応じてくださいました。
・B社に対してプロパー融資(短期融資)のあるZ銀行は、非常に厳しい対応でした。
 
◆Z銀行への訪問時の様子
担当者ではなく支店長と課長との面談でした。第一声でプロパー融資(短期融資)についてはリスケジュールに応じられない旨の断りがあった後、加えて以下の主張がありました。
 
・店舗閉店に伴う保証金の戻り600万円をプロパー融資の内入れに充てて欲しい。
・お母様と共有名義になっている不動産を担保に入れて欲しい。
 
これらの主張を、「個人にも影響が及ぶ。」とか「代位弁済を請求しなくてはならなくなる。」等、聞き慣れない言葉を挟みながら強い口調でお話しされるため、社長様は不安な様相でしたが…
 
金融機関は横並びが原則です。他行がリスケに応じている中で、Z銀行だけを特別扱いをすることは出来ません。返済の意思があることを前提としたうえで、弊所から下記の確認を行いました。
 
・他行が返済額0円でリスケジュールに応じている状況で、Z銀行だけに返済をするのは※偏頗(へんぱ)弁済にあたるのではないか。
・お母様の意向もあり担保提供は難しい。仮にお母様の了承が取れたとしても、Z銀行だけに担保提供を行うのは、同じく偏頗弁済にあたるのではないか。
・そもそも、Z銀行からプロパー借入れをしているのはB社である。A社に戻る保証金をB社の返済に充てることにA社の債権者が納得するかどうか。仮に納得したとして、どのような名目で資金を移動させるのか。
※偏頗弁済とは、ある特定の債権者だけに偏って返済することです。
 
結果は他行同様0円の返済額でリスケジュール契約を締結することが出来ました。
 
繰り返しになりますが、金融機関は金融支援を行う際に足並みを揃えるのが通例です。
借り手は、自分の意思に関係なく、ある特定の金融機関だけを優遇することは出来ないルールです。
 
厳しい局面では特に知識が重要になります。リスケジュールのご相談もお待ちしております。
 
 
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