「創業のコツは、小さく生んで大きく育てる!」

よく想像しながら計画を作ってください。

『創業2期目に50名の従業員、数億円の売上、3期目には 100名の従業員と数十億円の売上、数億円以上の利益を予定しています。』
 
ある創業者様のビジネスプランです。
※あるビジネスプランコンテストへの提出資料より
 
■想像してください。
 
○2期目の期末までに、50名の従業員を雇用するということは…
(※採用の話がわかりやすいので、敢えて例示しています。)
・誰が、どのように募集をするのでしょうか?媒体は、コストは?
・誰が、どのように面接するのでしょうか?
・誰が、どのように教育するのでしょうか?
・誰が、どのようにマネージメントするのでしょうか?
・これらの費用をどのように捻出するのでしょうか?
・これらの時間をどのように捻出するのでしょうか?
 
従業員は、誰でも良いわけではありません。短期間に大量採用を行うためには、採用コスト、教育コスト…
2年でざっくり数千万円程度は必要になります。しかも、この費用は先行して必要になります。
 
○2期目には、売上高数億円、数千万円の利益、3期目には数十億円の売上を上げる計画です。
 既存の商圏を引き継いでいる事業ではありません。人を採用するよりもはるかに難解です。
 
○資金はどのように回すのでしょうか?大資本で始める?大人数で始めるのでしょうか?
 そうであるなら合点がいきます。
 
○確認すると…
・資本金は100万円です。
・社長一人の創業です。
・ベンチャーキャピタルから調達できるようにも到底思えません。
・初年度の借入れ予定額は数千万円になっています。
 
数千万円の借入れができる確率は極めて低いはずです。
また、数千万円調達できても資金は足りません。
ゼロからの小資本(資本金100万円)、一人創業で掲げるべき目標ではありません。
 
■経営は想像力です。
 
○従業員を50人にしようと考えた時、
・どのような方法で候補者を募るか?コストは?
・採用条件はどうするか?
・教育はどうするか?
実際には、上記のことを行う人材を最初に確保します。
・この人材をどう確保するか?
・採用条件は?
・予算はいくら持たせるか?
…等々
この様な流れを丁寧に想像すると、この段階で計画の無謀さに気づくはずです。
 
■3か年計画は、本来365日×3年=1,095日の連続した計画です。
 
期末(年度末)の着地点だけを記した計画の裏側には、365日×3年=1,095日の一日単位の計画があるはずです。実際に1日単位の計画は作りませんが、最低でも月単位の計画は必要です。このビジネスプランを、365日×3年の1日単位の計画に落とし込むことはできないはずです。途中で確実に頓挫します。諸々の辻褄が合いません。
 
■私は、こんな助言をしました。
 
・まず、3年~5年で十名~数十名、純利益1,000万円超の会社を作りましょう。
 この時点で(借入れの)資金調達力は5千万円~1億円になります。
・これが出来たらこの資金で、次のステップに進みましょう。
・初年度は、数百万円の創業融資を受けて、自分自身が食べられる会社(黒字)を目指しましょう。
 
『貴方が、百万人に一人の天才なら、凡人の想像力を越えて当初計画が達成できるかもしれません。貴方が、百万人に一人の天才でないなら、私の助言に沿って経営した方が良いはずです。』
 
大きな夢を持つことは決して悪いことではありません。素晴らしいことです。
一方、走る訓練もしていない人間が、いきなりフルマラソンで優勝することは絶対にありません。
ゆっくり走る訓練が必要です。
まずは、自分自身の力を計り、力相応走ることから始めてください。
事業は、小さく生んで大きく育てていきましょう。
時間はあります。
 
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