借り手側の説明責任を全うすることが大切です。
工期が数か月に渡る建設業等の業種は、正確な売上と原価を掴むのが難しいため、本当の利益が分かりにくい業種です。決算書上では黒字の企業が、突然倒産することもあるため、金融機関は建設業等をより保守的に審査します。
本日は、融資審査を何度か断られた実質3期目の施工管理会社が、日本政策金融公庫より1,000万円の不動産担保付融資を受けられた事例をご紹介します。
■ お客様の概要
会社名:S社
業種:施工管理
直近(第3期)年商:3,800万円
直近(第3期)営業利益:140万円
資本金:500万円
■ ご相談の内容
会社を設立してからこれまで、何度か日本政策金融公庫と信用保証協会に融資のお願いをしているが、全く取り合ってもらえないとの相談です。第3期(第1期は数日だけですので実質は第2期)の決算では黒字になりましたが、それでも相手にしてもらえないとのことです。
■ 弊所での対応
社長様は長年勤めていた企業を定年退職後、S社を設立しました。社長様もご自身で認識しておられますが、これまでのキャリアで会計に縁が無かったため決算書が全く読めません。よって決算内容についてこちらがお聞きしたいことに対して、明確な回答が得られない状況です。これでは決算書通り、本当に利益がどうかが分かりませんので、弊社で会計資料を紐解き、案件別の請負金額と工期、請求時期を表にまとめました。これにより、第3期決算数値の正確性を補完するとともに、将来の資金繰り見込みが分かります。他資料とあわせて日本政策金融公庫におつなぎしたところ、「経理状況に不安があり、お断りした経緯があるが、税理士事務所がその点をしっかりとフォローするのであれば検討します。」とおっしゃって頂き、最終的に1,000万円の融資を受けることができました。
S社のように、本来は融資を受けられる財務状況を有しているが、資料や説明の不足により、「良くわからない」という理由で融資を断られているケースが多く見られます。貸し手である金融機関は根気強くヒアリングをしてくれませんので、借り手である企業側が説明資料等を作成し、分かりやすく貸し手に伝える努力をする必要があります。業績は悪くないが、なぜか資金調達が上手くいかないと感じておられる経営者様は、その辺りに原因があるかもしれません。弊所にて、金融機関に提出する資料の作成をお手伝いします。ご相談ください。
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