ヒット商品・サービスは、その機能や品質が、対象とする顧客のニーズにぴったりとはまった時に生まれます。カメラで対象物を撮影する時のイメージがわかりやすいでしょう。
我々中小企業は、多くの対象を上手に撮ろうとするのではなく、ピンポイントに対象を絞り込んで、それのみにピントを合わせて撮影する心構えが必要です。
■マーケットを決めてください。
○『力相応一番』(船井総研の創業者、船井幸雄先生)、この概念は大変わかりやすいはずです。自社が勝てそうなマーケットを選んで、その中で勝負しなさいとする教えです。大きなマーケットにこしたことはありませんが、対象が大きいほど競争相手の数も増えます。
○マーケットを絞って限定することが重要です。
1.対象を絞る対象特化型、対象顧客内での一番化。
2.エリアを絞るエリア特化型、地域一番化。
これらが選択肢に挙げられます。『ニッチの一番化』です。
○中途半端な絞り込み戦略はうまくいきません。
どんなに小さな対象やエリアに対してでも、圧倒的な一番にならねばなりません。『一番と二番の差は、二番と百番の差より大きい』、これも船井先生のお言葉です。
◆絞り切ったマーケットを狙って集中砲火を浴びせる、これが中小企業のマーケティングです。
■『ニッチの一番』にふさわしい商品・サービスを開発して作り込んでください。
○対象顧客のニーズ以外を捨て切ることが重要です。様々なニーズを拾いあげてしまいがちです。対象顧客のニーズは徹底的に拾うが、それ以外のニーズは捨てる、この覚悟で商品・サービスを開発してください。
○商品やサービス開発においても、目指す対象顧客の明確化ができていないと、『ニッチの一番』になれる商品・サービスは開発できません。
○さらに、自社の商品・サービスを毎日作り込んでください。
昨日よりは今日、今日よりは明日…ほんの少しでも改善・改良を繰り返しましょう。時間の経過とともに、とんでもないレベルに進化・発展します。
この日々の改善・改良の積み重ねを作り込みと呼びます。
◆対象顧客のニーズに限定した商品・サービスを開発する、これが中小企業の商品戦略です。
■3:4:3のルールがあります。(2:4:4とも言われています。)
○好不況にかかわらず隆々と経営を続ける上位30%の企業、好況時にはうまくいくが、不況時には厳しくなる40%の中間層、常にぎりぎりのラインで生きる30%の下位の企業、このルールです。
○常に隆々と経営を続ける上位の30%は、明確な一番商品・サービスを持っています。対象マーケットを絞り込んだ一番商品・サービスを持ち、日々作り込みを行っている会社です。
○下位の30%の企業に一番商品はありません。力不相応の大きなマーケットを対象に、勝てないケンカをエンドレスに続けているようです。
■経営の成績は一番の有無次第です。
○価格主導権は一番商品・サービスに付帯します。
一番商品を保有する企業は、利益を出せる値決めができます。
儲かります。二番以下は、低価格で勝負するしかありません。
利益は薄くなります。
○注目は一番商品に集まります。
一番商品には注目が集まります。勝手に売れます。二番以下は、広告・宣伝費用がかさみます。利益は薄くなります。
富士山の次に標高の高い山?知っている人は少ないはずです。
この差をイメージしてください。
経営不振の大きな要因は、力不相応な大きすぎるマーケットを攻め続けていることです。今の実力では到底勝てない対象と戦い続けているのです。いかがでしょうか?
勝てるマーケットを探しましょう。そのマーケットが小さすぎると思うぐらいまで対象を絞ってください。勝ちながら対象マーケットを少しずつ広げていけばよいのです。
繰り返しますが、我々中小企業は、多くの対象を上手に撮ろうとするのではなく、ピンポイントに対象を絞り込んで、それのみにピントを合わせて撮影する心構えが必要です。
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