総大将たる社長には、物事を決断する責務があります。
「これは良い」、「これは悪い」、「これはやる」、「これはやらない」、「これは続ける」、「これはやめる」、「これはもっとやる」、「これは減速する」…等々、多くの判断を日々行っているはずです。
過去の判断の結果の良し悪しの結集が、現時点の経営状況そのものです。
過去の判断が総じて正しければ、現状で良い結果が出ているはずです。
今、上手く行っていなければ、それは過去の判断の結集が正しくなかったということです。
将来の経営を良くするためには、今からの判断の精度を向上させることしかありません。
一つ一つの判断をより丁寧に、正しく行いましょう。
◆悩んだら、アッパーでニッチに向かってください。
◆悩んだら、近いところ(地上戦)から攻めてください。
◆悩んだら、強いものに絞ってください。
◆悩んだら、自分の考えを信じてください。
◆YESかNOの判断だけではなく、程度加減を決める判断の方が多いことを知ってください。
◆ベストを求めていたのではGOの判断はできません。ベターで良しとして始める癖をつけてください。
以下、判断基準、判断時の考え方6か条をご提案いたします。
◆常に『アッパーニッチ』(×ロアマス)を目指してください。
商品やサービスの開発や市場の開拓時には『アッパーニッチ』を狙いましょう。絶対に『ロアマス』は狙わないでください。
『アッパーニッチ』とは、高級、高付加価値ゾーンのスモールマーケットのことです。
『ロアマス』とは、低価格帯のBIGマーケットのことです。
◆まず『地上戦の営業』(×空中戦の営業)を企ててください。
新しい物やサービスを世に問う時には、まずは自分の足で、自分の人脈の範囲内から攻めてください。
空中戦は、地上戦で加速を付けた後に行います。『地上戦の営業』とは、自分の人脈の範囲内での営業活動のことです。『空中戦の営業』とは、マス媒体を活用する営業のことです。
◆『エコ贔屓の経営』(×総花的な経営)を行ってください。
経営資源は、強いもの、伸びている所に集中して投下してください。総花的になってはいけません。
人事においても、伸びている人をさら伸ばす…まずはこれです。
『エコ贔屓の経営』とは、長所に集中する経営のことです。『総花的な経営』とは、分散する経営のことです。
◆『ワンマンな経営』(×協議の経営)を行ってください。
衆智を集めることは重要です。しかし、結論を協議して出す…これは正しくありません。社長一人が全責任を負って決めてください。
『ワンマンな経営』とは、経営判断は社長が一人で決める、この自覚を持つ経営のことです。
『協議の経営』とは、協議して経営判断を下すことを意味します。
◆『程度加減の判断』(×YESかNOの判断)を意識しながら経営してください。
経営判断の多くは、YESかNOではなく、もっと早く、もっとたくさん、いや、セーブして…このように程度加減を決めることが多いものです。経営とは程度加減を図っている…この認識を持って判断してください。
『程度加減の判断』とは、その程度加減を決めることです。これが難解です。
『YESかNOの判断』とは、その判断の可否を決めることです。
◆『ベターな経営』(×ベストな経営)を目指してください。
経営の場で、ベストな状況に遭遇する機会は稀です。ベストにこだわり過ぎると前に進めません。
経営はベターの集合体である…この達観が必要です。『ベターな経営』とは、ベターを良しとする経営のことです。『ベストな経営』とは、あくまでもベストありきで進める経営のことです。
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