経営者に必要な資質をひとつだけあげるなら、私は当事者意識を選びます。経営者には強烈な当事者意識、例えば、頭上から石が降ってきて自分の頭に当ろうとも、そこを歩いていた自分が100%悪いと瞬時に思えるぐらいのそれが必要です。
■以下、アメリカの著名な牧師、ロバート・シュトラー氏の著書から引用します。
『・もしこれが駄目なら、他にどんな方法があるかを検討しよう。すべての可能性を調査しよう。
・自分のゴールまでの道、あるいはもう一つの残された道や可能性を自分で決定しよう。
・自分の決断に責任をもとう。
・自分の運命に責任をもとう。
・自分はあやつり人形ではない。単なるスーパーコンピューターをはるかに越える魂をもった生き物が、己の意志で判断する、これが人間というものだ。そして、これがリーダーシップだ。
自分のことは自分で考えよう。
・必要があれば、自分の精神構造や情緒パターンも積極的に変えていこう。
・リーダーシップを、他人やほかの権力に売り渡すのはやめよう。
・消極的な思考に負けて、自己決断の責任を放棄するのはやめよう。
・いちばん先頭に立とう。自分の人生のリーダーは自分なのだ。
・権力におびえて、逃げ出すのはやめよう。
・いつまでも自分の魂の航海のキャプテンでいよう。席を離れたすきに、誰かが舵を奪い取って、あなたの肉体や心や永遠の魂まであやつってしまうことのないように注意しよう。』
■あわせて「論語」を紐解いてみましょう。
『君子はこれを己に求む。小人(しょうじん)はこれを人に求む。』
君子は自分自身に期待し、小人は他人に期待するとの意味ですが、我々の心の中にも、ここでいう小人の考えが潜んでいます。
●経営者にもいます。
景気が悪いから、良い人材がいないから、取引先が悪いから、あげくの果てにはお客が悪いから・・・うまくいかないのだと本気で思い込んでいる人は少なくありません。この手の経営者は、うまくいかない理由が自分ではなく他人にあると思っています。他人が悪いのであるから自分には責任がない、自分自身でもっと努力をしようとか、生き方・考え方を変えようとは思わないようです。
○○のせいで・・・と他人を恨みながらダメになっていきます。ただ唯一の救い(?)は、自分自身を責めずに済むことかも知れません。
●会社の中にも多くいます。
経営者が悪いから、上司が悪いから、同僚が悪いから、部下が悪いから・・・うまくいかないのだと本気で思い込んでいるようです。
この手の人間は、うまくいかない理由が自分ではなく他人にあると思っています。他人が悪いのであるから自分には責任がない、今置かれている状況下で、自分自身がどう変わり、どのような役割を果たすべきか、また、ひょっとしたら自分自身にこそ責任があるのではないか・・・などとは思わないようです。○○のせいで・・・と他人に対する不満をまき散らしながら生きています。
「君子はこれを己に求む。小人(しょうじん)はこれを人に求む。」記憶に留めてください。
経営者には、頭上から石が降ってきて自分の頭に当ろうとも、そこを歩いていた自分が100%悪いと瞬時に思えるぐらいの強烈な当事者意識が必要です。ご理解ください。
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