起業から一定期間、赤字が続く時期があります。そして、ある段階でその赤字幅が縮小しながら黒字化に向かいます。黒字転換出来て安定できたら起業はひとまず成功です。
起業から黒字転換するまでの期間をデスバレー(死の谷)※と呼びます。
※デスバレー(死の谷)は、ベンチャー企業が製品開発をすすめながら事業化する段階で、資金が不足して企業として成り立たなくなることを言います。
ここでは広義に解釈して解説いたします。
■デスバレーを越えられない会社は途中で事業休止、または破たんします。
開業から半年経過した飲食店がありました。お客様が徐々に増え始め、赤字幅は縮小に向かっていました。あと半年ぐらいで黒字化できそうな様相でしたが、途中で資金が枯渇したので廃業に追い込まれました。
○この飲食店は、事業としては成功する確率が高かったように思います。
財務戦略を間違えたために破綻してしまいました。デスバレーの途上での資金調達は容易ではありません。創業時に最大限の資金調達を行うべきとするのは、このためです。
■デスバレーを作りたくないために、必要な投資も行わずに、ずるずると時間を浪費する社長様も少なくありません。何年経っても投資もできず、人も雇えず、事業は立ち上がりません。
○デスバレーを経ずに事業が立ち上がるケースは稀です。必要善のデスバレーを恐れすぎてはいけません。何を目指すのかにも依りますが、一定以上の事業を創り上げようとするならば、それ相応のデスバレーの大きさが必要になります。
創業者としての決意が試される場面です。
創業時には、デスバレーを想像してください。その大きさは、その期間は、これが創業時や新規事業立ち上げ時の事業計画の要諦です。
創業や新規事業の失敗は、デスバレーを想定していない、過少に見積ったことがその原因の一つです。
■デスバレーは自力で乗り越える以外に方法はありません。
事業を始めるとデスバレーに突入します。その事業が収益を持ち始めて黒字に転換するか、明らかに黒字化の目途が立つか、このどちらかのタイミングまでは、外部からの新たな資金調達は原則できません。
○資金調達のタイミングは、デスバレーに突入する前の創業初期か、デスバレーを抜け切った黒字転換後です。
・金融機関からは、創業時に創業融資を最大限受ける、そして、その後も誠意を持って報告を継続することで、黒字転換期の前に追加融資を受けやすい環境を整備しておくことが重要です。
・ベンチャーキャピタルなどのエクイティー資金は、黒字化の目途と、その後の急成長が見込める、この二つの条件が整った場合のみにその投資を受けられます。
ベンチャーキャピタルも、デスバレーの入り口や途上での投資を行うケースは稀です。
そう甘くはありません。
日本政策金融公庫や保証協会付の金融機関融資は、よく整備された仕組みです。
また、創業補助金の制度もあります。日本の創業支援制度も捨てたものではありません。
また、ベンチャーキャピタルも、その投資対象と規模の広がりを見せています。
首都圏では、一部の業種で投資バブルも始まっている模様です。
何処を目指すのか?に依りますが、どのような場合でも、創業時の財務戦略を持って事業のスタートを切ってください。
デスバレー(死の谷)で死なないために…
創業時から、財務戦略の重要性を理解して経営に励んでください。
財務戦略は、体力のない小規模零細・創業期の会社にも重要なテーマです。
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