「貴社にとっての最大のリスクに備えましょう。」

「プラス発想・素直・勉強好き」、船井総合研究所の創業者である船井幸雄先生のお言葉です。
成功する経営者に必要な三つの資質とおっしゃっておられます。

経営者は、常に前向きで明るく朗らかでないといけません。
多くの偉人が共通して語っておられます。

「最大リスクを想定(心配)して、回避する努力を続けることが出来る」、明るく朗らか…を前提に、敢えて経営者に必要な資質をひとつ付け加えます。

■貴社は、何が起きたらつぶれますか?貴社の最大のリスクは?

○飲食店などの食品関連であれば、重度の食中毒を起こせば致命傷です。
○メーカーであれば、品質不良を起こせば大きな損害を被ります。
○アルバイトの一人が、程度の悪い画像をネットに投稿したら経営が傾きます。
○経理担当者が、多額の運転資金を持ち逃げしたら経営が成り行きません。
○最大の取引先から取引を打ち切られたら、会社が傾きます。
○大口の卸し先が倒産したら、多額の損害を被ります。
○取引銀行が、多額の折り返し融資を突然打ち切ってきたら、資金繰りに詰まります。
等々
会社の経営の根幹を揺るがすようなリスクに対しては、それを想定して、それを起こさない対策を打ち続けねばなりません。

■貴社は、どんな対策を打っていますか?

○1対29対300の法則(ハインリッヒの法則)を知ってください。
1回の重大事故が起きるまでには、同じ原因で29回の中規模の事故、300回のヒヤリハット(ヒヤッとしたり、ハットしたりすること。)が起こります。小さな予兆を放置するから重大事故を起こす、とする戒めの法則です。死亡事故を起こした焼き肉店などは、小さな予兆を無視し、中規模の事故をもみ消したから、あのような悲惨な結果を招いたはずです。
会社をつぶさないためには、小さな予兆に真摯に対応する誠実さが必要です。

○従業員教育をおろそかにしていませんか?
ネット上に不適切な動画や写真を投稿した人たちは、「こんなに大きな事件になるとは思ってもいなかった」と言います。愚かな従業員の言い分です。悪気は無くても罪は罪、無知の罪です。性悪は排除しながら、無知に知恵を授ける教育は欠かせません。
容易ではありませんが、地道に続けることしかありません。

○お金・実印の管理をおろそかにしていませんか?
従業員にお金を持ち逃げされて倒産する例は実際にあります。
小規模な会社であれば、社長が自分でお金を扱ってください。中規模になれば、ダブルチェックの体制を作ること、大きなお金は別枠で管理する等の対策が必要です。
大きなお金と実印を大切に扱う気持ちが重要です。

○大きな取引、大きなお金の流れには細心の注意が必要です。
相当大きな規模の会社になっても、主要な取引先(売り先・仕入れ先)と銀行との関係は、その詳細まで社長自身が状況把握を行うべきです。ここを部下に任せ切ってはいけません。
時には前に出て、関係把握・関係改善を行うべきでしょう。

社長は心配し過ぎてはいけません。常に明るく前向きにポジティブシンキングで日常を過ごしてください。ネガティブ発想は、経営者にはご法度です。

ただ、最大のリスクに対してだけは気を配ってください。
この一点のみは、ネガティブシンキングが必要です。

再度お尋ねします。
貴社は、何が起きたらつぶれますか?貴社の最大のリスクは?
それに対して、貴方は、どんな対策を打っていますか?

最大リスクを想定(心配)して、回避する努力を続けてください。

〇 本情報の信頼性の向上には最善を尽くしていますが、その正確性を保証するものではありません。