「利益計画は、売上・販管費・粗利益率(原価率)の3つの組み合わせ」

利益計画を策定してください。複雑な事業計画ではなく、売上・販管費・粗利益率(原価率)の3つを組み合わせて、利益をどう確保するのか?

この方針をしっかりと決めてください。
経営のイメージが描けます。経営が変わります。

■利益を増やす(増益の)ための要素は大きく3つです。
1.売上をあげる。
2.販管費を下げる。
3.粗利益率をあげる(原価率を下げる)。

■今期年商1億円、原価6,000万円、販管費4,000万円、営業利益ゼロの会社で、来期目標営業利益を700万円において考えてみましょう。
○売上だけをあげて、700万円の利益を出すためには…
・売上1億1,750万円、17.5%売上をあげる必要があります。
○販管費だけを削減して、700万円の利益を出すためには…
・販管費は3,300万円、17.5%販管費を削減する必要があります。
○粗利益率だけをあげて、700万円の利益を出すためには…
・粗利益率を7%あげる必要があります。

◎社長、貴方ならどの方法を選択しますか。
実際には、以下の3要素の組み合わせになります。
・売上に伸び代を感じるなら売上アップを目指します。
・販管費に余裕を感じるなら販管費の削減を行います。
・高付加価値化や値上げ、又は原価の削減ができそうなら粗利益率の向上を狙います。

■様々な組み合わせ例を検証してみましょう。
○売上だけを17.5%アップ、これで営業利益は700万円になります。
○売上を7%アップして、販管費を10.5%削減、これで営業利益は700万円になります。
○売上を30%アップして、販管費を12.5%増やす、これで営業利益は700万円になります。

粗利益率アップの要因を組み込まずに計画してみました。
急成長中の企業なら可能でしょうが、安定期の企業にはしんどそうですね。

○売上を3%アップ、販管費を4.2%削減、粗利益率を4%アップ、これで営業利益は700万円になります。
○売上を5%アップ、販管費は現状維持、粗利益率を4.8%アップ、これで営業利益は700万円になります。
○売上と販管費を据え置いた場合は、粗利益率7%アップ、これで営業利益は700万円になります。

粗利益率アップの要因を組み込んで計画すると、選択肢が大きく広がります。

■売上・販管費・粗利益率(原価率)、この3つの方向性が決まれば、自ずと経営の方向性は見えてきます。
○売上を30%アップして、販管費を12.5%増やす、これで営業利益は700万円になります。
○売上を3%アップ、販管費を4.2%削減、粗利益率を4%アップ、これで営業利益は700万円になります。

・前者の方針は、販管費を突っ込んで大幅な売上増を狙う、そのためには、人員採用や販促費予算も必要でしょう。
30%増の売上と、12.5%の販管費増加のバランスを取りながら、経営管理を行います。

・後者の方針は、高付加価値商品の開発や仕入れコストの削減が経営のテーマになります。また、販管費の無駄の削減も必要です。
販促費等の見直しにも取り組まねばなりません。

上記の2つでは、明らかに明日からの経営方針が変わるはずです。

■以下、ご確認ください。
・売上・販管費・粗利益率(原価率)の3つをどう組み合わせて経営するのか整理してください。
・粗利益率(原価率)の要因を十分に考慮して利益計画を作ってください。
・売上アップのみの要因での利益確保は、容易ではありません。
値引き販売(粗利益率ダウン)の利益確保は、さらに難解です。

利益計画は、売上・販管費・粗利益率(原価率)の3つの組み合わせです。特に、粗利益率(原価率)は利益を左右する大きな要因です。粗利益率を重視する経営をお勧めします。

〇 利益計画策定に関するご相談は、銀行融資プランナー協会正会員事務所である当事務所にて承っております。
〇 本情報の信頼性の向上には最善を尽くしていますが、その正確性を保証するものではありません。